個人再生を行う場合,個人の持っている資産の価値を計算する必要があります。それを「清算価値の算出」と言います。
具体的にどのように算出するのか、清算価値算出シートを例に説明します。
※この算出方法は東京地裁の場合です。
- 現金20,000円、預貯金58,966円、過払金128,382円とありますが、清算価値はそれぞれ0円となっています。東京地裁では、現金・預貯金・生命保険解約返戻金・有価証券・自動車やバイクの査定額・退職金の1/8などが20万円以下の場合は清算価値に含まれません。20万円以下というのは、合算せずに個々の数値が基準となります(これは同地裁における自己破産の管財振分基準と同様です)。
- 退職見込金額は7,568,900円とありますが、退職金見込額の場合はその八分の一のみ清算価値に含まれます。本事例では946,113円となります。
- 有価証券は356,890円で、20万円を超えていますので、その全額356,890円が清算価値に含まれます。差額156,890円のみではありません。
- 不動産については、住宅ローン残債務と査定価格との差額がプラスかマイナスかで扱いが異なります。マイナスの場合は清算価値に無関係です。マイナスだからといって他の清算価値からマイナス分を差し引くこともありません。プラスの場合はその差額がそのまま清算価値に含まれます。